劇的な2008年開幕戦
久々に興奮しました。
明日は学会発表の発表練習があるので、今日は研究室で準備をしなきゃいけないんですが、やっぱり開幕戦が気になってしばらく家で中継を見ていました。
6回を終わって1-3と敗戦ムードとなり、いつまでもダラダラ中継を見続ける訳にもいかないので、雨の中研究室に来たんですが、やっぱり試合が気になってネット中継を見ていました。
8回ツーアウト2塁で本多がセカンドゴロに倒れ、開幕勝利は厳しいかと思いましたが、9回多村が内野安打で出塁すると、打席には今期優勝の鍵を握る男4番松中。
ドミンゴの甘く入ったチェンジアップを捉えると、ここまで3打席地面を転がり続けた打球が初めて角度をつけてスタンド方向へ。入るか!?と思いましたが惜しくもスタンドの数十センチ下のフェンスに当たり、ツーベースでノーアウトランナー2・3塁になりました。
この押せ押せムードの中、続くはサヨナラ男柴原。
普段はホームランを打たないこの男は、なぜかこういう場面ではよくホームランを打つんです。柴原がサヨナラホームランを打ったシーンを今まで何度見た事か。
ヒットが出れば同点、ゴロや犠牲フライでも1点差でランナーが残るので、「これは逆転もあるかな?」と思っていましたがまさか、本当にホームランが出るとは思っていませんでした。
ドミンゴに簡単にツーストライクと追い込まれ、追い込まれた3球目、チェンジアップがインコースに入ってきたところを掬い上げると、打球は大きな弧を描いて大観衆のスタンドに吸い込まれました。
野球中継を見てこれほどの興奮と感動を味わったのはいつ以来でしょうね。
なぜかとても懐かしい感覚でした。
今日の試合は最後柴原が全部持って行ってしまいましたが、他にもいくつか気になった点があったので書きたいと思います。
まず開幕投手の杉内。
初回から自分のミスで失点し、7回1/3で3点を失ったものの、開幕投手にそして今季のホークスのエースに相応しい素晴らしいピッチングでした。
コントロールは抜群で、変化球もキレがありました。
しかし、ストレートには少し気になる部分もありました。今日はストレートによる見逃し三振が多かったのですが、少し空振りが少なかったような気がします。杉内が18勝で最多勝を取った2005年はもっとストレートでの空振りが多く、当たってもファールになっていたような気がします。それに、大事な場面でのわずかなコントロールミスも今日の失点につながっていました。
まぁ今日開幕したばかりだし、2005年の一番いい時期と比べるのもどうかとは思います。今日は勝ち星がつきませんでしたが、このままのピッチングを続けてくれれば15勝は間違いないと思います。
開幕セカンドは先日予想した通り本間でした。しかし、1打席目、2打席目と岩隈に全く合わず連続三振。守備でも精彩を欠くなど散々で、結局6回の打席で代打に本多を出され、交代することとなりました。
正直言うと、今日の試合負けたらこの本間に代わって出場した本多についてメインで書く予定でした。それほど本多は凄いと感じた試合でした。
なにがすごいかと言うと、1人で場の雰囲気を変えられるものを持っている。
6回に川崎が出塁し、本多が代打だと告げられると、それまで敗戦ムードが漂っていた球場のボルテージが一気に上がりました。そして、その歓声に後押しされるかの様にきっちりエンドラン成功。
他の選手が打ちあぐねていた岩隈から、ろくに実践練習もしていないのに、いきなりヒットを打てる。これは、普通の選手ではできないと思います。
結局これが岩隈をマウンドから降ろす1つの要因となり、最終回の劇的サヨナラ弾に結び付いた。
今のホークスにはこの本多は絶対に必要な選手だと感じました。今年は去年以上に川崎・本多の1・2番コンビが他球団を掻きまわしてくれると思います。
柴原と並んでお立ち台に立った久米の事も書かなきゃいけないでしょう。
新人投手が開幕戦で勝利を挙げたのはパリーグでは49年ぶりの事だそうです。残念ながら今日は久米のピッチングはあまり見ていなかったんですが、新人で開幕戦のマウンドに立って結果を残すのは並大抵のことではないと思います。
今日は8回・9回両方ともセカンドにランナーを背負う場面がありましたが、ランナーを背負ってからも落ち着いてストライクを取りに行けるのはリリーフとして十分にやっていけると思います。
右の中継ぎが不安な今年は、何度も出番があるでしょうし、今日よりももっと厳しい場面で投げることにもなると思います。そして、たまには打たれて自分の責任で試合を落としてしまう事もあると思います。しかし、それを経験してからも、しっかりと打者と真っ向勝負し、ストライクを取る事ができるかが久米の今後の投手人生を左右する大きな転機になるかと思います。
是非、ホークスの中継ぎエースとして、成長してくれる事を期待しています。
最後に開幕オーダー予想について。
見事に外しました。
やはり一番の難関だった5・6・7番。まさか2年連続で柴原が5番とは・・・
しかし、それがサヨナラに繋がったんだから、今日は王采配が嵌ったと考えるべきでしょうか。
5番松田は無いとの予想は当たりましたが、レストビッチより打順が前だったのは、王監督の期待の表れでしょうね。
今日は内野安打ながらも1本ヒットが出ましたし、レギュラー定着に向けまずまずの出だしなんじゃないでしょうか。
ただ、1回の挟殺プレーでの送球は危なっかしかったなぁ・・・
捕手・山崎も外しました。
経験なら的山の方が上なので、開幕経験を重視する王監督にしては珍しい采配だったと思います。もしかしたら、杉内との相性も考えたのかもしれません。
しかし、それ以上にやはり若い捕手に育ってほしいという期待があるのかもしれませんね。
結局6回で代打を出され、そのまま田上に交代してしまいましたが、王監督の期待に応えられるよう頑張ってほしいです。
まぁ色々気になる事の多かった開幕戦でしたが、王監督勇退のシーズンに勢いをつける意味では最高の試合でした。
劇的な勝利は、必ず負けと表裏一体だけれど、負け試合や接戦を勝ちにつなげられるチームが日本一になるチームだと思います。
今日はソフバン戦含め全てが1点差ゲームでした。
今年のパリーグはどこが優勝しても本当に不思議ではないと今日の結果を見て感じましたが、最後に笑うのはホークスであってほしいです。
今年は王監督が宙に舞う姿を見ながら涙を流したい。
就活が終われば、今年は久しぶりに球場に足を運ぼうかと思っています。