任天堂がゲーム好きを採用し、JRが鉄ヲタを取らないわけ

昨日友人と寮の食堂で夕食を食べていたら、生きる事と仕事をする事ってのは一緒なんだろうかという、いかにも卒業を間近に控えた大学生らしい、くだらない話になりました。

友人は、仕事というのは生きるためのひとつのツールであって、仕事を生きる目的にはしたくないといった感じのことを言っていました。友人が言うには、仕事を生きるための軸にしてしまうと、その軸がぶれた時に精神的に参ってしまったりして、自分が自分でいられなくなる可能性があると考えているそうです。

僕は彼とは少し違う考え方で、仕事の為だけに生きるというのはもちろん嫌だけれども、どうせどんなに我が侭を言っても今後40年間のうち3分の1くらいは仕事をしなければいけないのだから、いっそのこと仕事が生きるための目標の1つである方が良いと考えていたりします。もちろん、仕事で参ってしまう事も必ず出てくると思うので、それ以外に家族だとか趣味だとかという他に頼れるものを持っておいた方が良いというのは間違いないと思いますが。


それで、家庭を持っても、趣味を持っていても結局そっちの方で問題を抱え込んじゃう可能性もあるんだから、結局人生の軸になるのは宗教しかないんじゃないの〜?ってなおかしな方向に話が向き始めたところで、別の友人がいいタイミングで登場して話題を変えてくれました。

しばらく、取り留めの無い話をした後、結局また仕事の話題に戻ってきたのですが、その時に趣味を仕事にしたらどうなるんだろうという話になりました。
僕ら3人は全員理系だったので、昔はゲームクリエイターになりたかったという考えで一致したのですが、結局誰もゲーム業界には進みませんでした。

その理由は、ゲーム業界は結構大変そうだとか、仕事と趣味は分けたいとか、それぞれ理由があったと思いますが、僕自身も昔ほどゲームに対して魅力を感じなくなっていたので、ゲーム業界は殆ど受けませんでした。

しかし、ただ1社だけ任天堂を受けました。
もちろんある程度は仕事が面白そうだという理由で受けましたが、給料が良いとか、今後伸びる可能性があるといった下心があったのも事実でした。


技術系といえども、流石に業績好調の企業とあって採用は狭き門だというのは分かってるつもりで、受かればラッキーと思いつつ受けたのですが、筆記試験に受かり、1次面接に受かった時点で結構真剣に考えざるをえなくなりました。

任天堂は選考時期が他の企業に比べて遅いため、2次面接を受けたときは、殆どの企業の選考は終わっており、僕も面接にも結構慣れ、喋る事も殆ど固まっていました。
正直言って今はDSもWiiも持っていないし、ゲームも殆どしないので、ゲームに対する愛着は他の人達よりも薄かったと思います。しかし、これまで面接を受けてきた感じだと、その企業の製品が好きかどうかとか、その会社自体が好きかというのは結構どうでもよくて、面接官はもっと別の事、例えばその人が将来どのようなキャリアプランを描いているのかだとか、これまでどのような取り組み方で研究を頑張ってきたかだとか、どういう仕事をやってみたいだとか、そういった質問が多く、自社製品について聞いてきたところはあまりありませんでした。

もちろん営業職希望の人達だったら、その企業に対する魅力などを語って、自分がなぜその企業に入りたいかを説明するというのがあたり前なんでしょうが、メーカーの技術職やSIばっかりを受けていた僕は、それよりも自分がやりたいことや、これまでやってきた事を語る場の方が圧倒的に多かったのです。


そんな感じで、任天堂の2次面接も受けました。
本社前で一生懸命自分の研究の話を練習して、自分のやりたい仕事について考えてきた事を反芻していざ面接に望みました。
すると、1次面接では殆ど技術の事ばかり聞かれたのに、2次面接では一転ゲームの話ばかり。

面:ゲームは好きですか?

僕:す・・すきです・・・

面:どのゲームが好きですか?

僕:その・・マリオカートとか好きです・・・

面:他にどんなゲームが好きですか?

面:PCではどんなゲームをしますか?

まるで僕がゲームにあまり興味が無い事を把握しているかのように、怒涛のゲーム関連の質問。
昔の知識やゲームの好きな友人の話等を参考に、ある程度はちゃんと答えられたのですが、僕自身から見てもゲームに興味がある人物とは映らなかった様に思えます。
結局そこであっさり不合格となり、任天堂への道は閉ざされてしまったのですが、その後もなぜあそこまで面接官がゲームの質問をしてきたのかいまいち理解できずにいました。

もちろん自社製品に愛着をもち、その会社が好きだと考えて仕事をすれば、仕事をしていてもハッピーになれる可能性は高いし、多少辛い仕事でも我慢できると思います。ただ、そういう自社を愛している人が必ずしもいい仕事をするかというと別で、製品自体は好きではなくても回路設計やプログラミングやデザインの知識が豊富な人間の方が会社にとって利益になる働きをする様に思えたからです。


また友人との話に戻ると、趣味を仕事にするという話の延長で、鉄ヲタはJRに入れないという話を聞いた事があると言い出しました。その話が本当かどうかは分かりませんが、もし本当だとしたら、任天堂とは全く逆なわけです。趣味を仕事にすることを受け入れる任天堂と、趣味を仕事にすることを拒むJR。
その違いは何かと考えた時に一つの結論にたどり着きました。

それはゲームというものは趣味として顧客に供給するものであるけれども、鉄道というものは趣味としての利用はメインではなく、メインは交通手段として顧客に提供するサービスであるという事です。
その供給するものが「趣味」であるか否かによって、従業員に求められる考え方も異なってきて、趣味を顧客に提供する場合は従業員もそれを趣味としている方が顧客のより求めるものが提供できるのに対し、一般的に趣味とはならないものを顧客に提供する場合は、従業員がその仕事を趣味の延長として捉えると、顧客が求めるサービスと従業員が提供するサービスとにズレが出てくると思うのです。
だから、僕がそれまで受けた「趣味」にならないものを作るメーカーやSIでは、自社製品が好きかどうかについてあまり大きく触れなかったのだと思います。

そんな事を友人達に話しながら、自分でも、だからあの時僕はゲームが好きでない事を見抜かれて、任天堂の面接で落とされたのだと勝手に納得していました。
まぁ、本当は他にも色々足りなかったところがあるんでしょうけどね。


結局、趣味の延長が仕事であるのが良いことなのかという疑問は、まだ働いた事のない僕らにはさっぱり分かりませんでしたが、顧客のニーズに答える為にはまず自分が顧客の気持ちを理解する事が大切であるという事は、任天堂の面接から半年以上経った今ようやく理解ができました。
そんな仕事の話をしながら、働く事を考える前に目先の修論を頑張ろうという意見で一致し、3人とも少し憂鬱になったのでした。

2008年に見たアニメを振り返る

1週間ぶりに東京に帰ってきました。
帰省中は殆どが実家でゴロゴロするか、親戚の家に行くかのどっちかで、それ以外は1日だけ友人と会ってドライブに行っただけでした。
正月という事もあってどこに行っても肉だの刺身だの寿司だのが出てくるんですが、なんだか食べなきゃ気まずいくらいに料理を勧められるので、日に日に体重は増えるわ、肌はボロボロになるわで、豪華な料理もあまりありがたくない感じになっていました。


さて、一昨年くらいからアニメを見るようになった僕ですが、2008年は一昨年の様に寝る間も惜しんでアニメを見るということは流石に無くなり、見るペースもだいぶ落ちました。
それでも結構見たので2007年同様、2008年に見たアニメの総括をしようかと思います。2007年の総括の際はランキング形式で書いたのですが、なにせ2007年にやったアニメじゃなくて、2007年に僕が見たアニメなので、1位が「攻殻機動隊」と時代錯誤な訳の分からないランキングになってしまったので、今年はランキングではなくていくつかピックアップして振り返る形にしたいと思います。
それではまず、昨年1年間に見たアニメを挙げてみます。

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2008年の総括と2009年の目標

実家に帰ってきて5日目ですが、今日はようやく家でゆっくりすることができました。
なんだかんだで実家に帰ってくると親戚の家に行ったり、友人と会ったりして、休みなのになんだか逆に疲れちゃったりすることの方が多かったりします。
今は学生なので東京に戻ればまたのんびりした毎日が待っているからいいのですが、仕事を始めて、たまの長期休みにこんなに疲れる日々をすごさなきゃいけなくなるなら、実家にもあまり帰りたくなくなるのかなと思ってしまいます。


さて、ようやく落ち着いたので、少し去年を振り返ってから、今年の目標でも立てようかなぁと思います。

2008年のまとめ

1月・・・中間報告提出、初の選考面接、はてブをはじめる
2月・・・研究報告書に追われる、初の内定、就活セミナー佳境、スキー旅行
3月・・・学会発表
4月・・・就活本格化
5月・・・就職先決定
6月・・・
7月・・・バイトをはじめる
8月・・・富士登山、北海道旅行、研究室合宿
9月・・・
10月・・・内定式
11月・・・はてダをはじめる
12月・・・中間発表、コミケ参加


2008年前半の1月〜5月までは就活が結構大変だった上に、報告書だとか、学会発表だとかで本当に酷い毎日を送っていました。特に3月が一番きつくて、学会発表の準備はしなきゃいけないわ、セミナーには出なきゃいけないわ、面接はあるわ、ESは書かなきゃいけないわで毎日の様に予定が詰まりまくっていました。

その反動で6月以降は旅行を含め本当にのんびりすごしていました。
6月と9月が全くの空白になっているのはその象徴です。今でも全く何も思い出せないほど、本当に何もしていなかったw
お金も奨学金とかこれまでの貯金が溜まっていたので、卒業旅行に行くにしても特に問題はなさそうだと思ってバイトもするつもりは無かったのですが、本当にボーっとしてすごしている時に、偶然大学の事務バイトが先生から振ってきて暇つぶしのつもりでバイトを始めたりしました。
これが結構当たりで、全く忙しくは無くてつまらないときもあるのだけれど、自由にやりたい事をできるし、大学の思わぬ裏の世界もみられるし、周りの人たちと話していると楽しいし、色々と頼られるのはうれしいし、暇つぶしになるうえにお金まで溜まる。
このバイトを始めたことによって少しは自分でもやる気を取り戻せた気がします。

研究について

研究に関しては少し前にも書いたのですが、就活中とそれ以降しばらくは結構サボってた時間が多かったけれど、10月ぐらいからようやくエンジンがかかってきて、何とか論文もまとめられそうなところまで来ました。
もう少し早くから取り掛かっていれば、まだ進めることもあったかなぁとは思うので後悔は多少はあるんだけれど、それ以上に研究が楽しいというのを実感できたことは本当によかった。
一昨年は去年よりも研究をしている時間は長かったんですが、あれは研究と言えたかというと本当に微妙で、ただ言われたことをやるお仕事だったり、メーカーの開発のお手伝いという感じだったので本当にやっていて楽しいと感じたことは少なかった気がします。学んだことは多かったですが。
今年はそれを反省材料にして、自分がやってて楽しいと思うことを計画して取り掛かりました。少し無謀かなぁと思うような計画でしたが、何とかうまくいって、いい方向に向かったのでよかったです。これであまり後悔もなく卒業できるかなぁと思います。

はてなを使い始めた

はてブをはじめたのは去年の1月だったとブログに書いてあったので、もうすぐはてなを使い始めて1年になるんですね。ダイアリーを使い始めたのは11月なのでそれほどでもないのですが、ブックマークの方はかなりお世話になってます。
はてブを使い始める前までは「はてなってたまにブログとかで見るけどなんなの?」って位だったので2008年で一気にはてなに嵌った感じです。

僕は昔からネットで情報を集めるのが好きだったんですが、どうやって興味のあるページを見つければよいのか分からず、2chを覗いたりする程度しかできなかったので結局偏った情報ばかりになっていたのですが、はてブを見つけて本当にいろんなところにアンテナを張ることができるようになりました。(まぁはてなも結構偏っている部分はありますが)

これまで使っていたライブドアブログからはてダに移動したのも、ただ単にブログの更新が疎かになってきていたので、少し環境を変えようと思って始めたんですけれども、デザインもシンプルで良いし、読んでくれる人も多いので自分もちゃんと文章を考えて書くようになったのでいい刺激になっていると思います。
今年はもう少し記事を書く頻度を増やしたいです。

総括

まぁ2008年は就活して、旅行行って、研究した。それ以外はぼんやりしていた。という風に簡単にまとめられちゃう様な単純な1年だったんですが、去年の年末に研究室のみんなと忘年会をやっている時に「今年はどんな一年でした?」と聞かれて、すんなり「今年は楽しかったよ!」と答えられたのでいい1年だったんだなぁと実感しました。

去年の年初に立てた2008年の目標を再確認すると内定、学会、海外旅行、可愛い彼女をつくることを目標にしていたみたいなんですが、内定、学会はなんとかこなし、海外旅行はこれから行くつもりでいるので、可愛い彼女を作れなかったのが2008年唯一の心残りですかね。

2009年の目標

さて、今年の目標ですが、一応論文の目処は立ったのであえて卒業を目標にする事もなさそうです。
とりあえず1番の目標は職場に慣れる事ですかね。
最初はしばらく研修になるだろうと思うので、同期で何人か気の合う仲間を見つけておきたいです。その後、事業部に配属されて、いろんな年代の人達がたくさんいるこれまで経験したことの無い空間に放り込まれることになるんでしょうが、多くの人とうまくやっていければ良いですけどね・・・
まぁあまり遠慮しすぎることなく、楽しんで仕事ができるような環境を自分で作れたら最高だと思います。

2つ目の目標は現実的な目標になりますが、TOEICで750点を取ること目標にしたいと思います。
去年も暇な時期にTOEICを3回も受けましたがどれも同じような点数で、しかもとても人には見せられないような内容だったので、聞かれたら答えられる位の点数にはしておきたいです。

3つ目の目標は去年達成できなかった、可愛い彼女をつくる事!
今年は合コンも2度経験し、パーティーで女の子と話すのにも少し慣れたかなと思うので、この目標は去年よりももう少し力を入れて取り組みたいなと思います。


今年もよい年でありますように。

2008年元旦

あけましておめでとうございます。

昨日31日の夕方に再び実家に帰ってきました。これで昨年は4度も実家に帰ったことになります。
もう飛行機にも完全に乗り慣れてしまって、全く出発準備をしていないのに、搭乗の3時間くらい前まで平気で寝ていられるようになりました。


そういえば、29日はコミケにもいってきました。
後輩たちが同人誌を販売するというので行ったのに、僕が行ったときにはすでに完売してて、後輩たちは非情にも帰ってしまっていました。
しかたがないので、一人で泣きながらビッグサイトを隅々まで回り、コスプレの写真を撮ったりして、1円も使わずに帰ってきました。
やっぱりああいうところはそれなりに興味があって、お金を使う場所がないと楽しむのは難しいですね。まぁ忘年会の話のネタにはなったので無駄足ではなかったです。


今日は例年通り、祖父母の家で飯を食って1日中だらだらしてました。弟が新年早々インフルエンザにかかるという残念な感じなので、僕も東京に帰るころにはもれなくインフルエンザに感染していると思います。

なんだか話が飛び飛びで2009年早々酷い投稿になっているのは、実家にいるとどうもテレビを見るか、寝るしかやることがないので、現在23時であるにもかかわらず既にものすごく眠いせいです。
論文も書こうと思ってたのにUSBメモリ忘れてくるし、こっちにいる間はずっとゴロゴロすることになりそうです。


本当は年内に2008年の総括を書きたかったのですが、結局年末は忘年会ばっかりやっていて、書く時間がなくなってしまったので、今後また書くとします。

なんだか残念な出だしですが、本年も頑張ります。

早くも年末

中間発表が終わって10日程経ちましたが、なんだか一瞬で年末になった気がします。というより12月が全体的に早く過ぎ去った感覚です。

この10日間、特に忙しかったわけでは無いのですが、寮でクリスマスパーティーをやったり、研究室や友人達との忘年会があったり、大学が電気設備点検の為に停電になったので久々に服を買いに行ったりと、実に年末らしい生活を送っていました。
クリスマス・イブは1日中研究室にいて、次の日は買い物に行ったのですが、寮のパーティーで普段話さないような女性の方々と話す事が出来たので、例年よりもクリスマス気分を味わう事はできました。

友人との忘年会では23歳にもなって、4人中3人が学生というダメっぷっりを発揮していたのですが、学部生の間ずっと眼鏡をかけていた友人がコンタクトになっていて少し驚きました。
そういえば、僕も学部生の頃はずっと自分で髪を切っていたのですが、今年になって就活があったせいもあり定期的に美容室に通うようになったり、就活後に髪を染めてみたり、服を買いに行くようになったりしました。
最近は合コンに出たり、パーティーで自分から女性に話しかけたりするようになってきたので、僕も友人もなにか焦っている所があるのかな・・?と思ったりします。
なんだか馬鹿らしい話ですけど。


昨日・今日は研究室にこもってデータを取っていたのですが、だいぶ修士論文の目途も立ったので、明日ぐらいから年が明ける前にボチボチ今年の総括でも書きたいと思っています。

明日は後輩たちが同人誌を出品するというので、人生初のコミケに行ってきます。
人ごみはあまり好きではないので、すぐに帰ってくることになると思いますが・・・

妹がニート予備軍だった件

先日父の三回忌で実家に帰った時に夏休みぶりに妹と会いました。

妹は大学4年で順調にいけば今年度卒業になるのですが、卒業間近だというのに未だに就職先が決まっていません。


妹は昔から他人とのコミュニケーションが苦手で、友人が全くいないという事は無かったけれども、それほど多くも無く、初対面の人でなくてもあまり長い会話ができないという感じでした。
勉強はそこそこできて、僕よりも良い高校に入ったし、センター試験では結構いい点数を取っていましたが、ただ、要領が悪かったせいで、大学はそれほどレベルの高くない地方国立大に進みました。


高校時代位から妹のコミュニケーション能力の無さと、圧倒的な世間知らずを案じてはいましたが、僕自身も大学に入って一人暮らしをするようになってからコミュ力や生活力はアップしたので、妹も親元を離れて生活するようになれば、そんなものは解消されるものだと思っていた部分がありました。

しかし、それほど甘くはありませんでした。
ひとりで生活し、休みの時にはひとりで飛行機に乗って実家に帰る位には生きる能力はついたものの、コミュ力は一向にアップする気配をみせない。
大学に入ってアルバイトをしたり、サークルにも入ったという話も聞いたのですが、大抵次に話をした時には辞めていました。

大学に入ってからの友人もあまり多くは無かったようで、長期休みに入るとすぐに実家に戻ってきてはだらだらした毎日を過ごしていたし、当然彼氏もいる風ではありませんでした。


そんな妹も未だにお勉強だけは出来る様で、大学では結構いい成績をとっていたらしく、留年する事も無く順調に進級していき、大学3年位の時に公務員試験を目指すようになりました。

そしてついに今年就活の年を迎えました。

妹は農学部コミュ力もあまりないので、就活はかなり厳しいと思っていましたが、公務員試験なら多少はなんとかなるだろうと思って僕も少し安心している部分もありました。もちろん面接なんかもあるだろうけれど、一般企業の面接に比べれば大したことないと思っていたのです。
それに僕自身も就活があったので、あまり妹の事ばかり気にしているわけにもいかなくなったという事もありました。

それでも、春先には面接の練習も兼ねて一般企業も受けておいた方が絶対に良いと妹にアドバイスしたつもりでした。
しかし、妹はまったく聞く耳を持たず、一社も一般企業を受けませんでした。


夏ごろに公務員の筆記試験がありました。
妹は親ともあまり話をしないし、こっちから電話をかけないと向こうから話をしてくることはほとんどないので、どんな状況なのかは細かくは分からなかったけれども、どうやらあまり多くの試験を受けていないという事はなんとなく伝わってきました。

僕が本当に妹の現状がヤバいと気付き始めたのはこの頃です。
妹はどっかに受かると楽観視していたようだけれど、就活を経験して多少は苦労していた僕にはそんなに簡単に就職が決まるとも思えませんでした。

勉強は出来る妹は筆記試験には受かっていましたが、必ず面接で落とされていました。僕はもっと手当たり次第受けるようにと提案しましたが、交通費がもったいないとかであまり聞く耳をもってくれませんでした。


そして先日妹と会って話をすると、案の定どこにも決まっていませんでした。この先公務員試験などたぶん無いだろうし、一般企業を受けても優良企業が今頃妹みたいな人間を取ってくれるとも思えません。妹はまた勉強し直して来年受けると言っているけれど、僕には来年も厳しい様な気がしてならなりません。


そもそも妹からは危機感が全く感じられないのです。
僕はそれがなぜなのか全く理解できないのですが、これだけ世の中が不況に苦しんでいて、内定取り消しなんて話まで出ているのに妹は全くそんな事を気にしていないようです。
良く受け取れば肝が据わっているともとれるんですが、僕から見れば単なるノーテンキとしか思えない。

大学を卒業したら新卒でなくなるから一般企業に就職するのは難しくなるという話をしても、来年は大学を卒業して公務員の予備校に通うというし、大学院進学を考えてみてはと言ってもなんだかお茶を濁した返事しかしない。
今年痛い目に会ったんだから来年こそは一般企業も受けて、面接の練習とかしておけよといっても、あまり受ける気もなさそう。と言うよりこの時期に就活組は会社説明会等に行っているのに、妹は実家でダラダラ過ごして、全く動く気配すら見せません。


僕自身は公務員を目指した事は一度も無かったので、公務員になるのに新卒が有利なのかどうかは分からないんですが、どちらにしろ来年はこの不況で公務員を志望する人数も増えるだろうし、新卒だろうとそうで無かろうと、そう簡単では無い事は間違いない。

妹も馬鹿ではないのでそれぐらいは分かっているんだろうけど、落ちた時の安全策を全くとろうとしない。
それ程就きたい仕事があるのかなとも思ったのですが、どうもその仕事が本当にやりたいのかどうか本人も良く分かって無いらしいのです。

来年も就職が出来ないようであれば、今後相当厳しい事になってきます。年齢も上がるし、大学にも行っていないフリーの期間が出来るし、妹自身も精神的に相当追いつめられると思うのです。
それ以上に怖いのが予備校に通って、さらに他人とコミュニケーションを取らなくなる可能性がある事です。これ以上コミュ力が低下したら、それこそ社会に出られたとしてもうまくやっていけるのか本当に不安です。


この前会った時に少し危機感を煽ってみたけれどあまり効果があったようにも見えなかったし、僕が怒ってみせても何の効果も得られない気がするし、今度年末に会う時に実家でぐーたらしている妹にどういう風に対応すればいいのか本当に困っています。
兄として、妹を説得する能力もない事に不甲斐無さを感じたりもしますが、なんだか冗談抜きで妹がニートになるのではないかと心配するこの頃です。

同輩が中間発表に来なかった

僕の研究の中間発表は昨日で終わったのですが、研究室全体の中間発表はまだ終わっていません。
正確に言うと、中間発表は昨日で終わるはずだったのに、同輩が無断で発表会を休んだので、その彼の為にまた後日時間をもうける事になったのです。

正直僕は彼が昨日の中間発表を無断欠席するとは思いませんでした。
しかし、全く考えもしなかった訳ではなく、むしろ彼が昨日の中間発表に来なかったのは、これまでの流れから言えば普通だったのかもしれません。
というのも、僕は2週間ほど前から彼の姿を一度も見ていないのです。


彼が研究室に来なくなった原因は、研究室内の人間関係に問題があったわけでも、病気にかかったわけでもなく、明らかに研究に行き詰ったせいでした。
それでも彼が昨日の中間発表に来ると考えたのは、彼が無断で中間発表をサボる様な人間では無い事を知っているからです。

それでも実際彼は昨日姿を現しませんでした。


僕は去年、彼と一緒に似たような研究をしていました。
企業との共同研究で、研究というよりもむしろ開発に近かったかもしれません。
回路の特性調査や、トランジスタのパラメータ調整が主な仕事で、研究成果として発表できる内容はあまり無く、僕も彼もその事に対して不満や不安を持っていましたが、そのテーマを放り出して行く宛がある訳でもなく、悶々とした気持ちで取り組んでいました。

たまに自分のアイディアを取り入れるなどして、企業側に提案したりもしましたが、企業側にとっては余計な事をされるよりも、言った事をやってもらう方がメリットがあると考えたのか、あまり受け入れてもらえませんでした。

僕達の教授は僕らの研究材料になれば良いという考えで、このテーマを扱ってくれたので、僕や彼の出したアイディアにいい点があれば後押ししてくれたし、逆に教授側から研究成果になりそうな内容を提案してくれたりもしてもらいましたが、さすがに企業側にその内容を押し付けるのは憚られるといった感じでした。


そのまま僕らは大した研究成果も挙げられないまま、去年の11月を迎えました。
そして、その頃から急に彼は研究室に来なくなりました。
研究室に姿を見せるのは週に1度のゼミの時ぐらいで、ゼミが終わるとすぐに帰ってしまいました。
彼がその時鬱だったのかどうかは分かりませんが、普通でないことは誰の目からも明らかで、声すらも掛けづらい雰囲気がありました。

しかし、年が明けると徐々に彼も姿を見せるようになり、また普段と変わらないような明るさも戻ってきたので、研究室のみんなも安心していました。
そして僕らは今年の春に就活の時期を迎えました。


僕は5月に就活を終え、彼はスタートが遅かったせいもあって少し苦労しましたが、6月にちゃんと内定を貰って同輩全員の就職先が決まりました。
しかし、その頃からまた彼は研究室に姿を見せなくなりました。

去年の11月に彼が研究室に来なくなり、その後彼が調子を取り戻してきた頃にその時の原因を聞くと、やはり研究の成果が出ないことに不満を持っていたようでした。彼は人一倍真面目で、研究に対しても熱心だったので、自分の納得のいく成果が出ないとどうしても思い悩んでしまう傾向があったようです。
もちろん僕もそういう時期は何度もありました。しかし、その時は先輩や教授にアイディアを貰ったり、話し合いの中で新たに進む方向を見つけたりしていました。
しかし彼はあまり他人に頼る事が好きではなく、自分で何とか解決しようとして悪い流れに陥っているようでした。

6月に彼が研究室に来なくなったのも、やはり研究の行き詰まりが原因だと後で聞きました。
昨年度で企業との共同研究は終わっていたので、僕らは少し違う研究内容になりました。その後も彼は、毎日のように来たり、全く来なくなったりを何度か周期のように繰り返しながら、昨日の発表日を迎えました。

確かに最近は来ない周期に入っていたのですが、僕が実家に帰っていた先週の金曜日にあった発表には顔を出したという事だったので、発表日の昨日は来るものだと思っていましたが、結局彼は来ませんでした。


最近の彼の研究の状況を見ていると、特に発表できるものが無いと言う訳ではなく、むしろちゃんと結果が出ている部分もあり、発表はやりやすい筈でした。
ただ、その内容では修論にはならないと彼は言っていました。

卒論をあきらめた

上の増田を読んでいて、増田と彼は非常に似ているなと思いこのエントリを書いてみました。
そもそも、卒論を書くのに才能など必要ないし、30ページも書かなくても卒業できないなんて事は絶対無い。
結局のところ増田は卒論に対して非常にこだわりを持っていて、どうしても中途半端で終わらせたくないんだと思います。
僕の同輩の彼もまた同じく、修論らしい修論でないと絶対納得できない。

彼よりも研究室に来る頻度が圧倒的に低く、研究内容もボロボロで、先生に卒業が難しいといわれてもヘラヘラしている人間だって僕らの研究室には居るし、2年間も同じ発表をし続ける人間だって居るのに、どうして彼がそんなに思い悩む必要があるのかなぁと思ったりもします。


今日彼に電話をかけてみました。
2回留守電に繋がった後、向こうから掛けなおしてくれたので少し安心しましたが、やはり声にあまり元気がありませんでした。
一応発表はするとの事で、日程調整の為に彼に都合の良い日を聞いてそのまま電話を切りました。
電話を切ってから、少しでも励ましの言葉をかけてあげるべきだったかなと後悔しましたが、今考えてもなんと声をかければよかったのか分かりません。
月曜日には元気になってるかなぁ・・・